2013.05.07

―四季の千代寿―

　千代寿虎屋外観です。

　雪が積もった冬の蔵の様子も、とても風情があります。

　――白い蒸気が立ち上る真冬の朝。杜氏蔵人が動き出す。
いい酒はつくるのか、できるのか。
敬けんな酒造りの男たちは「できる」のだという。

　しかし、人の手を離れて、いい酒が出来るはずもない。

　米や水、麹、酵母たちは、もちろん黙して語らない。

　しかし、彼らの声を、そのささやきを聴くことの出来る蔵人が、ここにはいる。

二月、大吟醸しぼりの日は雪。酒袋に次々に流し込まれる醪(もろみ)口を縛った酒袋はタンクに吊される。袋吊り。酒をしぼるのは地球の重力だ。ほとばしる「あらばしり」の向こうに見える天の恵みと蔵人の思いかくして、その一滴はにぎやかに、華やかに語り始める。

（千代寿虎屋本サイトより抜粋）

酒造り本番は、寒さの厳しい冬。雪国山形に位置する千代寿虎屋のお酒も、こうした厳しい環境の中で、蔵人たちの手作業で行われます。雪国の情景や作り手の思いを想像し、いただくお酒は、いつもと違った「味」を出してくれることでしょう。

実は、千代寿虎屋のお酒に使用する酒米は、自社で育てています！

毎年の田植えの時期、晴天の5月は、酒米「豊国」を植えるために田んぼに集います。
さわやかな風が吹く中、蔵元自らの手によって次々に植えられる苗。米作りから酒造りを考える千代寿の原点です。

手作業で田植えを行う、まさに手間暇かけて育てた大切な酒米。思いが詰まった酒米で、さらに、お酒造りでも時間をかけて醸す。

豊穣の実りを描きながら、思いは半年後の芳醇な一滴に集約します。