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蔵人レポート Report

2013.03.26

酒造り工程1 -洗米から麹づくりまで-

日本最北の酒蔵!!

北海道 国稀酒造 の酒造り工程を2回に渡り、ご紹介いたします!


 まず、酒造りは酒造好適米を精米するところから始まります。
お米の表層部とその付近にある脂肪、タンパク質、無機質などは、微生物の栄養となり、そのことで増殖した微生物が酒の味に悪い影響を与える為、精米機で時間をかけてじっくりと表面を削っていきます。
国稀酒造では普通酒で65%前後、純米酒は55%、吟醸酒で50%、大吟醸ともなれば38%まで磨きあげます。

 

■洗米・浸漬(せんまい・しんせき)

 白米表層に残留している糠分を取り除く為に、白米を水洗いします。次にお米を水に浸します。「浸漬」は米粒中心まで水を十分に吸収させることによって、蒸した時に完全な蒸米にするための作業です。浸漬時間は米粒の組成によって違い、普通酒は1~2時間くらい、吟醸酒は粒が小さく吸水が早い為、数分間で終了させます。

 

 

■蒸し

 程よく水分を含んだお米は、一晩おいて表面の水分を無くしてから、甑(こしき)と呼ばれる大釜で蒸し上げます。

 造りの時期になると蔵では早朝から甑に火が入れられ、もうもうと立ち上がる蒸気は酒蔵の風物詩です。40分~60分蒸した米は、適度の硬さと弾力のある手触りで、手で引き伸ばすと餅状になります。

 蒸すことによって白米の澱粉をα(アルファ)化し、麹菌の繁殖を容易にします。

 蒸しあがったお米は、麹菌が一番増殖しやすい温度になるまで、手でほぐしながら、広げて冷まします。

 

  【蒸し】

 

  【蒸した米は、手でほぐしながら放冷をおこなう】

 

■麹づくり

 うまい酒造りの鍵を握っているのがで、その出来映え次第で酒の質が左右されると言われています。麹室の温度は30度前後湿度は高めに調整されています。これは、麹カビが生育しやすい環境を作るためです。蒸し米を台の上に広げ、水分を蒸発させた後に、種麹の植え付けをします。


 青みがかった緑の粉の種麹を、底が網状になった容器に入れ、蒸し米全体に振り掛かるように高くかかげて、麹菌の胞子を散らしていきます。それが終わると蒸し米を山にして、布をかけ保温します。
 約12時間後に切り返しという作業を行い、再び山にして6~8時間後、今度は麹蓋という木の箱に移し、麹室に積み上げます。

 その後温度や湿度を調節する為に、たびたび麹蓋を入れ換えたり、麹カビの成長によって発生する炭酸ガスを除くために、米を手でもむようにしてほぐしたりする手入れを行います。

 昔から「杜氏は麹と寝る」と言われるように、この間約2日間、蔵人たちは24時間態勢で、真夜中でも2~3時間ごとに温度に注意して、赤子を育てるように大事に大事に育てます。この時が酒造りの工程で一番大変な作業です。



 

  

『酒造り工程2 -仕込みから瓶詰め-』に続きます。お楽しみに!

 

(国稀酒造HPより引用)

 

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